ITパスポートの過去問や参考書を見て「こんな難しい内容がでるの?」と思った高校生は多くいると思います。
確かにIT関連の問題はどんなものかイメージできたとしても、経営やマーケティング、財務といったビジネスに関する問題は高校生にとってはかなり難しく感じるでしょう。
実際に高校生の合格率は20%前後と、実務経験のある社会人に比べてかなり低い数字になっています。(グラフ参照)
ではなぜ高校生の合格率はこんなに低いのでしょうか。
高校生の合格率はなぜ低い?
こんなに高校生の合格率が低いと「合格するのは難しそう」
と思ってしまいますよね。
ですが、この合格率の低さの中には学校から受験を勧められたのでとりあえず受けてみたという人がかなり含まれています。
例えば工業高校などでは積極的にITパスポートの取得を促している傾向があり、あまり勉強もせずに受験している学生がとても多いのです。
ですからこの20%という合格率はあまり気にすることはありませんが、勉強せずに合格できるほど甘い試験でもありません。
普通科の高校生がITパスポートに合格するのは難しい?
商業科や工業科で情報系の勉強をしている人と比べて、普通科の高校生がITパスポートに合格するのは難しいのではないかと思われがちです。
ですが、実際のところその合格率にはほとんど差はなく、普通高校で30.0%、情報系の高校で30.2%とほぼ同じ数値になっています。(参考資料)
確かに情報系の学生であればITの知識を問われる問題はある程度クリアできます。
あとはそれ以外のビジネス関係の分野を勉強するだけなので、合格までの準備期間は短くてすむでしょう。
普通科の学生の場合は一から勉強しなければならないという点で、情報系の学生よりは不利だと言えます。
しかし勉強する時間が長くなるだけであって、試験自体は普通科の学生でも十分に理解できる内容です。
それにもともとITパスポート自体、一般企業で働くビジネスマンが持っておくべき知識を習得するためのもの。
この資格は普通科の学生こそ取得しておいた方が良い資格の一つなのです。
高校生がITパスポートを取得するメリットは?
ITパスポートに合格していることを条件として、入試優遇措置や単位認定を行っている大学は数多くあります。(2016年時点で147校)
特に推薦入試や入学金及び授業料免除の条件として、ITパスポートの合格実績などが求められるようになってきています(参考資料)
◇単位認定を行っている大学一覧
◇入試優遇を行っている大学一覧
また、企業が社会経験の少ない高校生を採用する際の数少ない判断材料の一つが資格です。
数ある資格の中でも社会人として知っておきたい知識が詰まったITパスポートを取得していることは、就職活動に有利になります。
「資格欄にITパスポートと書いてもあまり意味がない」という話を聞くことがありますが、高校生がITパスポートを持っているということは採用者から見れば評価は高いもの。
ましてや採用者が試験内容を知っている人であれば、ITパスポートは高校生が簡単に取れる資格ではないということが分かっていますから好印象を得ることができるでしょう。
工業、情報系の学生であればITパスポートの上位資格である「基本情報技術者試験」の資格は取得しておきたいところです。
ITパスポートは取っても無駄だと思われがちですが、ITパスポートで学ぶ知識は社会人として働いていくために必ず役に立ちます。
私はWeb制作会社で働いていたのですが、IT関係の職場で働いていると専門的知識には詳しくても、ビジネスマンとしての視野がかけている人が多いと感じていました。
技術者としてはそれで良くても、部下を従えて上に立つようになるにはITの専門的知識だけでは不十分です。
ビジネスとはどういうものなのか、会社の利益はどうやって生まれているのか、自分の仕事はどんなふうに貢献しているのか。
そんなふうに仕事全体を俯瞰してとらえられる視点を持っておくためにも、ITパスポートを取得しておくメリットはとても大きいのです。
高校生でも独学で合格できる?
高校生でも独学で合格している人は沢山います。
一般的には合格までに必要な勉強時間は100時間程度と言われていますが、高校生はその倍の200時間程度が必要な勉強時間の目安です。
一日2時間は勉強時間を取り、3か月から半年で合格することを目標にすると良いでしょう。
ただ、高校生の場合は「何回も挑戦しているのになかなか合格できない」という人も少なくありません。
そういう人は勉強自体が足りていないのはもちろんのこと、「過去問さえやっておけば大丈夫だろう」と思っている場合が多いもの。
過去問だけを勉強する方法では問題と解答をそのまま覚えてしまうので応用が効かず、5回も6回も不合格になってしまうようなことが多々あるのです。
ITパスポートのように範囲の広い試験の場合、その勉強法は通用しません。
遠回りなようでも順序立てて勉強をしていくことが、高校生でも確実に合格を手にする近道なのです。
おすすめの勉強法が知りたい!
では、ITパスポートに合格するにはどんな勉強方法が良いのでしょう。
まずは最低でも1冊は参考書を読み込んでから、過去問に挑戦することを徹底してください。
それから問題を解き、分からないところは参考書に戻って理解を深めていく方法がベストです。
①参考書を読み込む
②問題集や過去問を解く
③わからなかったところは参考書に戻る
④繰り返し、問題集や過去問を解く
もっと簡単な方法が知りたいと思うかもしれませんが、結局はこの勉強方法が一番確実に点を取れる効率的な方法です。
また、勉強をしていてわからないところが出てきた時に学校の先生に質問できれば良いのですが、それは難しい方も多いと思います。
その場合は通信講座を利用するのも一つの手です。
お金はかかりますが、徹底的にわかりやすく作られたテキストや、最近ではDVDで講義を受けることができる講座もあります。
合格率80%を超える講座もあり、幅広い分野から出題されるITパスポートの試験問題を効率的に勉強するのに最適な教材が揃えられています。
参考書を読んでみて「これはちょっと難しそう」と不安に感じた方はぜひ検討してみてください。
高校生におすすめの参考書は?
とにかくまずは本屋さんに行って「読み進めやすい」参考書を1冊購入しましょう。
沢山ある参考書の中でも、読みやすさで言えばこちらがおすすめです。
学校で進められる本の中には分厚くて内容が難しいものがあるかもしれませんが、そういう参考書は辞書のように必要な内容がすべてつめこまれています。
最初からそういった参考書に手をつけてしまうと、ほぼ100%の確率で挫折してしまうので、まずは最後まで読み切れそうな参考書を探して読み込んでいきましょう。
ITパスポートは高校生でも十分合格可能!
「ITパスポートは高校生でも受かる?」
「まったく知識がないから不安・・・」
「参考書を読んだけど難しすぎてわからない!」
そんな不安を持っている方は多いと思いますが、ITパスポートは高校生でも十分合格可能な資格です。(ちなみに小学生、中学生の合格者もいます!)
社会人経験のない高校生が合格するコツは、とにかく参考書をしっかり読み込むこと。
分からないところはそのままにせずに、その都度理解していくようにしてください。
勉強を始めてから1か月、参考書を一通り読み通す頃が一番きつく感じると思います。
まずはその壁を乗り越えることを目標に勉強を進めていきましょう。